2021/11/01 シルクの利用
シルクの利用② ~食品への利用~
○シルクの食品への利用
蚕はシルクを生み出すだけではなく昔から食用としても利用され、日本では今でも蚕のサナギを佃煮や甘露煮にして食べる地域もあります。蚕の餌である桑の葉が漢方薬として用いられているということもあり、それを食べた蚕の糞は、乾燥させて漢方薬としても用いられてきました。
蚕が生み出すシルクについても、その構造や成分が科学的に解明され、食べることで現代の病気、生活習慣病の予防に効果があることがわかってきました。
シルクを構成しているタンパク質、セリシンとフィブロインは、血中コレステロールの上昇を抑える性質があり、健康補助食品に使われたり、糖尿病患者の食事コントロールに用いられたりしています。
日本から独自のシルク文化を発信
シルクに関して長年培ってきたノウハウを活かし、シルクの良さや価値を伝えます
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~同興商事株式会社~
2021/10/01 シルクの利用
シルクの利用① ~化粧品への利用~
シルクは古くから高級な和服や肌着の素材として利用されてきましたが、シルクはその特性上洗濯がしにくい、毛羽立つ、黄ばむといった欠点があり、こういった欠点を補って機能性を付加する研究が進んでいます。
また、シルクは衣料の素材として優れているのはもちろんですが、繊維以外のもっと身近な商品にも利用されつつあります。昨今では環境や健康に対する意識の高まりもあり、天然素材のものを見直したり、積極的に利用したいと考える人が増えていて、シルクの機能性を利用した様々な商品が開発されているのです。
○シルクの化粧品への利用
シルクを構成しているタンパク質であるセリシンのアミノ酸成分が人の皮膚に近く、シルクは肌に優しい素材とされていますが、セリシンは保湿・抗酸化性作用への効果があると言われています。またもう一つのタンパク質であるフィブロインには、抗酸化作用、抗菌作用、紫外線カット機能などがあることが知られています。
これらの機能を期待し、シルクは様々な形に加工されています。
シルク水溶液はそのまま化粧品の原料として使われていますし、さらに水溶液を凍結乾燥したものやフィルムやスポンジに加工したものを破砕することでシルクパウダーを調製し、化粧品の材料として用いられています。
今では基礎化粧品だけでなくファンデーションや口紅、シャンプーなど幅広いコスメ製品に利用されているのです。
日本から独自のシルク文化を発信
刺繍、ビジューなどの装飾加工も承ります
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~同興商事株式会社~
2021/09/02 シルクと文化
上代裂と古代の染色方法
飛鳥・奈良時代までの古い織物の断片を上代裂(じょうだいぎれ)といい、そのほとんどが奈良の法隆寺と正倉院に残されています。麻や羊毛で作られたものの他、絹で作られたものも多く、織では錦(にしき)と呼ばれる先染めの絹糸や金銀糸用い、地色や文様を織りだした高価な素晴らしい作品が多く残されています。
染め物では『天平の三纈』と称されて世界文化遺産に指定されている品々が保管されています。ここで『三纈』という奈良時代からある三種類の防染の技法を使った染色方法についてご紹介します。
① 絞り染め・・・纐纈(こうけち)
生地を糸や紐で縛ったり、生地を縫ったりすることでその部分が染まらないように防染してから染色する技法。上代の纐纈は緻密な柄ではなく、素朴な幾何学模様が多いですが、中にはどのように絞ったのかわからない高度な柄もあります。
② 板締め・・・夾纈(きょうけち)
模様を彫った二枚の板の間に折り畳んだ布を固く挟んで、模様の部分にあなをあけて染料を注いで染める技法。模様に染めるのがとても難しい技法ですが、現在でも型紙を使う友禅染などではこの技法が使われています。
③ ろうけつ染め・・・臈纈(ろうけち)
蝋を熱で溶かしたものを生地につけて防染し、蝋を塗った部分だけが染まらずに模様となる染色技法。平安時代までは中国から輸入された蜜蝋を使用していましたが、遣唐使が廃止され蜜蝋が手に入らなくなり、一旦途絶えました。現在行われているろうけつ染めは明治末期に復活したものです。
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オリジナルのレースやプリントを企画し、製品OEM事業を展開しています
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2021/07/27 シルクと文化
シルクは運気を上げる?
風水は4000年前以上前に中国で発祥した学問で、アジア各地に伝わりました。
風水は元々は環境哲学としてお墓や都市の建設に用いられ、日本にも600年頃に伝来し、平安京などの都づくりに用いられました。その後、文化や宗教と混ざり合い、現在のような身の回りの環境を整えることで開運するという日本独自の風水に発展しました。
現在も日本では風水を生活に取り入れ、風水で金運や運気を高めたいと考える人が一定数います。身の回りの衣・食・住の環境を整える、例えば毎日身に着けるもの。風水ではポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、マイナスの火のエネルギーを持つため運気を燃やしてしまうとされ、綿や麻をはじめとする天然繊維が良いとされています。天然繊維の中でも特にシルクは、シルクロードの時代には金と同じように大切に扱われていたため、風水学上も特別な素材と考えられ、シルクのアイテムを身に着けると良いとされています。
シルクは肌触りもよく、機能性も優れているため、身に着けるだけでも快適で気持ちを豊かにしてくれる素材と言えますが、さらに金運や運気を上げることができるとしたらとても素敵ですね。
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国内外での提携工場で無地染色やプリントの加工を行っています。
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2021/07/12 シルクと染料
シルクと染料⑤
●草木染め
染められる素材:天然繊維(綿、麻、シルク、ウール、バンブーなど)
草木を使って染める染色手法で化学染料を用いた染色に対して、草や木の葉などの天然原料を用いた染色の総称を草木染めと言います。藍染や柿渋染めも、草木染めに属します。
一般的に3種類以上の染料を混ぜると堅牢度が低下すると言われていますが、草木染はもともとの染料に多くの色素が混ざっており、奥行きのある色を出すことができます。
また、草木染めに使われる植物には薬効があると言われているものがあります。
有名なものとしては藍染めの抗菌や虫除け作用があります。茜は滋養強壮や抗菌作用など、栗染めは皮膚病に効くと言われています
最近ではハンドメイドに興味を持つ人が増えたことや、社会的なエコロジーへの取り組みにより、幅広い世代で草木染めへの関心が高まっています。
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定番商品約8種類をトレンドカラーでストックしています
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2021/06/28 シルクと染料
シルクと染料④
●反応染料
染められる素材:綿、麻、レーヨン、絹など
鮮やかな色からくすんだ色まで、ほとんどの色を出すことができます。
繊維と化学結合して染着するので耐久性に優れています。
反応染料は繊維と反応させて発色させるためにアルカリ剤の添加が必要です。
染色条件を厳密に守らないと定着しないため、染色方法は複雑ですが、再現性は高い染料です。
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織、編みともに提携工場にて生産し、短納期、小ロット、低価格、高付加価値の商品開発が可能です
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2021/06/14 シルクと染料
シルクと染料③
●直接染料
染められる素材:綿・麻・レーヨン・絹など
面倒な手間がいらず、ただ染料を水に溶かすだけで生地を直接染めることができます。
一般的に、汗・洗濯・日光などに対しては弱い染料です。
色の鮮明さにおいても他の染料よりは劣ります。
また、色の定着が悪く、フィックス処理と呼ばれる後処理が必要です。
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素材、加工の特性を考慮した技術管理を行っております
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2021/05/31 シルクと染料
シルクと染料②
●含金染料
染められる素材:ウール・絹・ナイロンなど
酸性染料の分子中に金属を有している染料です。
日光や洗濯に対する堅牢度は酸性染料より強いです。ただし鮮明な色を持つ染料はありません。
染色の際は沸騰状態で染色します。
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シルクの可能性を探求し、新たな価値を創出していきます
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2021/05/17 シルクと染料
シルクと染料①
ここからは、シルク染めに適した染料をご紹介していきたいと思います。
●酸性染料
染められる素材:ウール、絹、ナイロン、皮革など
染色時に染液中に「酸」を加えて染めることから「酸性染料」と呼ばれています。
酸性染料には鮮やかな発色をするものが多いです。染色の際は沸騰状態で染色します。
ただし、鮮やかな発色の反面、堅牢度は弱いです。
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国内外の自社工場・提携工場で、多様な縫製のご要望に対応致します
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2021/05/03 ブランドシルク
ブランドシルク④~蚕の希少種「小石丸」
5か月にわたり蚕や絹糸についてのブログを書いて参りましたが、最後に日本古来より存在する純国産種『小石丸』について触れておきたいと思います。
「小石丸」は蚕の中でも最も細い糸を吐き、艶があって張りも強く毛羽立たない優れた特性を持っています。小石丸で織られた生地は軽くて柔らかく、美しい光沢があり、薄くてもあたたかいという絹本来の良さ全てを兼ね備えた最高の素材とされています。それはまさに『天女の羽衣』と呼ばれるにふさわしいものでしょう。
しかし「小石丸」は他の蚕の繭よりも小さく、取れる糸の量が少ないため生産性が低く、またその飼育の難しさから大量生産を重視する時代の流れの中で次第にすたれて行きました。
また、「小石丸」は、19世紀後期より、歴代の皇后陛下が継承されてきたご養蚕と深く結びついた特別なものでしたが、平成の初めには廃止することが検討されました。しかし、当時の皇后陛下のご意向で少量ながら飼育を続けていくことになったのです。
ところが、この繭から取れる繊細な絹糸が古代の絹糸に最も近いということがわかり、すでに計画されていた正倉院宝物の古代裂(こだいぎれ)の復元の糸として用いられることとなりました。再び脚光を浴びた小石丸は日本文化の継承に大きな役割を担うことになったのです。一度途切れかけた種の存続が古代の文化を今につなぐ「糸」となったことはまさに
奇跡といっても過言ではありません。
「小石丸」は現在でも、厳しい管理の下、限られた地域でしか生産されておらず、希少な存在となっております。
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シルクを中心とした素材調達や開発を企画し、製品OEM事業を展開しています
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