2020/10/19 蚕の種類
蚕の種類について~家蚕(かさん)と野蚕(やさん)①
シルクの原料となる繭を作る蚕には、大きく分けて『家蚕』と『野蚕』があり、『家蚕』はいわゆる養殖の蚕、『野蚕』は天然の蚕です。
1.家蚕の特徴
養殖の家蚕も、元々は自然の中で生きている野蚕でしたが、クワコ(桑蚕)が起源とされる家蚕は、良質な絹糸を安定して生産する為に、長い時間をかけて品種改良されました。家蚕は養蚕農家の管理された屋内で飼育されます。糸の太さを均一に保つため口の形を一定にする必要のため、桑の葉だけを与えられます。安定的な生産性があり、世界各地で養殖が行われています。
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~同興商事株式会社~
2020/10/05 シルクの単位
生地や糸の単位について ④長さを表す単位
日本では古くから長さや質量、体積などの単位系として尺貫法を使ってきました。
長さに関しては基準が2つあり、曲尺(かねじゃく)と鯨尺(くじらじゃく)を用いますが、着物やその生地では鯨尺を用います。鯨尺は、もともとクジラのひげで物差しを作っていたのでそう呼ばれていますが、現在では竹に目盛りが刻んであるものを使用しています。
単位としては『分』『寸』『尺』『丈』があり、メートル法に直すと下記のようになります。
分=約3.79mm
寸=分×10=約3.79cm
尺=寸×10=約37.9cm
丈=尺×10=約3m79cm
着物を一着作るには、三丈物(1反=11.4mほど)や四丈物(共八掛付き)五丈物(振袖)が必要となります。
日本ではいまだに建築業界や繊維業界では尺貫法が日常的に使われています。
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~同興商事株式会社~
2020/09/21 シルクの単位
生地や糸の単位について ③織物を数える単位
織物を数える時、繊維業界では『反』や『疋』を使います。
同興商事ではまだ『疋』を使うこともありますが、現在では『疋』を使っているところは少ないようです。
元々1着分の着物を仕立てられる長さの生地を『反物』と呼んでいて、11.4m~12mぐらいを表していたようです。それに対し、着物と羽織のアンサンブルを誂(あつら)えるのに必要な反物2反分22.8m~24mほどの長さの生地で『疋物』と呼ばれていました。
これは、昔は全て手染めだったので、1反ごとに色合わせをするのが難しく、アンサンブルを別々の反物から縫うと色差が出てしまうため、同じ反物で作った方が良いということで、疋物が用意されるようになったそうです。
『反』も『疋』も生地を数える単位ですが、着物地や服地などの用途や、綿布や合繊などの品種によってその長さは一定ではありません。
はっきりした長さの定義がないので、50-46mぐらいの長い巻物を『疋』と呼び、半分ぐらいの23-25mぐらいのものを『反』と呼ぶことが多いです。
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~同興商事株式会社~
2020/09/07 シルクの単位
生地や糸の単位について ②糸の太さ
糸の太さの単位はd(デニール)で表されます。
蚕が繭を作るときに吐く繭糸の太さは約3dで、日本人の平均的な髪の太さは50~60dと言われているので、どれほど細いかということがわかります。
この細い繭糸を何本かを撚り合わせて必要な太さの生糸にします。
生糸の太さには14中、21中、28中と表されます。
14中=13d~15d・・・繭糸を約5本撚り合わせたもの
21中=20d~22d・・・繭糸を約7本撚り合わせたもの
28中=27d~29d・・・繭糸を約9本撚り合わせたもの
『中』というのは繭糸の太さにはばらつきがあるので平均値をとったという意味になります。
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2020/08/24 シルクの単位
生地や糸の単位について ①目付
生地の目付とは生地の重さのことを言います。
昭和30年ごろまでは重さは尺貫法で表しており、シルクにおいては現在でも重さの単位は匁(もんめ)が使われ、1匁=3.75gとして計算されます。シルクの素材を量るときには、シルクの生地93cm×93cmあたりの重さで、薄めの生地か、厚手の生地かということを表すようになっています。
薄くて透け感がある・・10匁まで=約43.35g/㎡まで
普通・・20匁まで=86.7g/㎡まで
厚めで落ち感がありドレープが美しい・・20匁以上=86.7g/㎡以上
絹の量が多いほど重くなり、値段も高くなります。
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2020/08/10 シルクの歴史
シルクの歴史
シルクの歴史 | ||||||||||||||||||
海外 | 国内 | |||||||||||||||||
B.C. | 6000~ 5000年頃 | 中国で養蚕が始まる | ||||||||||||||||
B.C. | 2000年頃 | 中国でシルクの生産が本格的に始まる | ||||||||||||||||
B.C. | 200年頃 | 稲作とともに、養蚕技術が日本に伝わる | ||||||||||||||||
B.C. | 108年頃 | 中国から朝鮮半島へ養蚕技術が伝わる | ||||||||||||||||
A.D. | 400年~ 450年頃 | 北海道・東北地方を除き全国で養蚕が行われる | ||||||||||||||||
A.D. | 500年頃 | 中国からヨーロッパへ養蚕技術が伝わる | ||||||||||||||||
593年 | 三纈(さんけち)※と呼ばれる纐纈(こうけち)・きょう纈(きょうけち)・臈纈(ろうけち)の手法が伝わる | |||||||||||||||||
710年頃 | スペインで養蚕が始まり、絹織物工場が設立 | ※絞り染めの纐纈(こうけち)・板締めの夾纈(きょうけち)・ろうけつ染めの臈纈(ろうけち) | ||||||||||||||||
1150年頃~ | 絹織りがギリシア、シシリー島、フィレンツェ、ヴェネチア、ジェノヴァに広がる | |||||||||||||||||
1200年~ 1300年頃 | イタリアの絹業が栄える | 1200年~ 1300年頃 | 寺社の装束類など染色工芸が盛んになる | |||||||||||||||
1467年 | 応仁の乱後、西陣で織物が始まる | |||||||||||||||||
1480年 | フランスで絹業が始まる | |||||||||||||||||
1500年~ | フランスの養蚕業・絹業が栄える | |||||||||||||||||
1640年頃~ | 幕府が養蚕に力を入れ、技術・品質が向上する。 | |||||||||||||||||
養蚕業・製糸業は近代化の中心となり、生糸は輸出の | ||||||||||||||||||
最重要項目となる | ||||||||||||||||||
1700年頃 | 宮崎友禅斎、友禅染を大成 | |||||||||||||||||
1773年 | ジョン・ケイ(英)、飛び杼(とびひ)を発明 | |||||||||||||||||
一人で経糸と緯糸をすばやく通すことができるようになり、作業時間が大幅に短縮 | ||||||||||||||||||
1800年頃~ | アメリカで絹業が始まる | |||||||||||||||||
1856年 | パーキンソン(英)、化学染料モーブを発明し、合成染料時代の幕開けとなる | |||||||||||||||||
1872年 | 富岡製糸場開業 | |||||||||||||||||
1882年 | シャルドンネ伯(仏)、硝化法による人絹(レーヨン)を発明 | |||||||||||||||||
1909年 | 生糸の生産量が清を上回り、世界最高となる | |||||||||||||||||
1935年 | カローザス(米)、ナイロンの紡糸に成功
| 1935年頃 | 養蚕業のピークを迎える |
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2020/08/03 シルクの加工
シルクの加工〜プリント〜
シルク生地は染色だけではなく、プリントすることも可能です。
様々なプリント方法がありますが、こちらでは代表的なプリント方法をご紹介いたします。
◆捺染:染料を混ぜた糊を使って生地に模様を施す技法です。
色ごとに版が分かれており、1色ずつ染めていくことで柄を表現していきます。
例えば2色使う場合、版は2つ必要となります。
・手捺染:職人が型を置いた型枠に染料を流し、スキージングというヘラで染料を
染み込ませる方法です。
・オートスクリーン:機械が染めるので大量生産が可能です。
オートスクリーンの中にも種類があり、手捺染同様、版を用いたものや凹凸のある
ロール状の型で染めるローラープリントなどがあります。
◆インクジェットプリント:インクジェットプリンターで生地に直接プリントします。
捺染との大きな違いは、デジタルデータで処理をする為、型を取る必要がないこと
です。
余分なインク(染料)を使わないので環境にもやさしいです。
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2020/07/27 シルクの加工
シルクの加工~2次加工~
染色後のシルク生地に様々な加工を施すことでシルクのデメリットを解消したり、生地に新たな表情が生まれます。
デリケートなイメージのシルクですが、シルク生地は染色後の2次加工にも対応可能です。
代表的な加工をご紹介いたします。
◆ウォッシャブルシルク:家庭でお手入れできるよう、色落ちや縮みが少ないよう染色後に生地を加工したものです。
シルクはお手入れが難しいというイメージがありますが、ウォッシャブルシルク加工された生地・製品でしたら、お手入れも簡単です。
詳しいお手入れの方法は、こちらをご覧ください。
◆防縮加工:樹脂や化学薬品を一切使用せず、湿気や洗濯時に生じる縮みを抑える加工です。
・形状安定加工:高温高圧でセットする為、添加物は一切使用しません。
・天日仕上げ:生地の種類により凋(しぼ)が出たり表状変化があります。
◆スエード加工:生地の表面を起毛させる加工です。起毛させることで、しなやかに柔らかくなります。
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2020/07/20 シルクの加工
シルクの加工~染色②~
◆吊染(つりぞめ)
擦れや折れ防止を目的に染色するシルク特有の染色方法です。
◆ビーム染色
ビーム管と呼ばれる穴の空いた筒状のパイプに布を巻き付け染色機に入れ、ビームの中から染液を循環させて染める染色方法です。
高温高圧で染めるので生地が動かずシワやヨレが生じにくいです。
◆液流染色
ロープ状に繋いだ生地を、高温高圧の染液の流れに乗せて高速移動(循環)させながら染色する方法です。
染め上がりは揉み効果により、ソフトな風合いになります。
染色機に備わっているジェットノズルから噴射する染液の流れを利用して生地を移動(循環)させることから、「ジェット染色」とも言われています。
※通常のシルクの染色にはスレが発生するため不向きですが、ピーチ加工などのフィブリル加工に用います。
◆ウインス染色
反末同士を縫い合わせループ状にした生地を、クルクル回転させながら染液に浸け染色する方法です。
生地にかかる張力も比較的小さいので、風合いを保てます。
※通常のシルクの染色にはスレが発生するため不向きですが、ピーチ加工などのフィブリル加工に用います。
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2020/07/13 シルクの加工
シルクの加工~染色①~
シルクは繊維の構造上染料が繊維の奥深くまで入り込む為色がよく定着し、深みのある色合いが出ます。
このシルク独特の上品な色合いは他の素材には出せません。
またシルクは先に糸を染めてから生地を織ること(先染め)も,先に生地を織りあげてから後で染めること(後染め)もできます。
染色方法についてまとめましたので、次回より記事をUPいたします。
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