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2022/06/27 活動報告

国内最大の生糸の製糸工場『碓氷製糸株式会社さん』を訪ねました

生糸製造過程、国産繭、生糸の現状確認のため、群馬県安中市にある碓氷製糸株式会社さんの工場見学に参加しました。

富岡製糸場さんが1872年(明治5年)日本で最初の官営模範工場が誕生して以来、明治大正を通じて日本各地に様々な製糸工場が誕生し、ピーク時の1951年には全国に288件あった製糸場が現在はわずか4社。その中で大型機械製糸場で国内製糸の6割を生産するのが碓氷製糸さんです。

群馬県碓氷近隣農家が出荷する繭のみを加工し続けてきましたが全国的な養蚕農家の減少、他の製糸工場の閉鎖を受けた他県からの繭を受け付けているそうです。

現在の全国養蚕農家が約200戸弱、一戸当たりの収繭量が350㎏として全国年間繭生産量約70t、生糸生産量約10tと予測されます。

日本の蚕糸業と絹文化の伝統を受け継ぎ日本中から届く繭がどのようにして生糸となるかその工程を8つに分けてご紹介します。

①繭荷受

②繭乾燥 (蛾の発生とカビを防ぎ長期保存するため熱風で5~6時間乾燥する)

③貯繭(乾燥した繭を蚕品種毎、蚕期毎に分けて繭倉庫に保管)

 

④選繭(繰糸に適さない汚れ繭、玉繭、奇形繭、を目視で選別、内部汚染がわかるよう台の下からライトを当て行う)

⑤煮繭 (繭を湯や水蒸気で軟化させ、繭糸のほぐれをよくする。 蒸気煮繭機使用、時間約20分)

⑥ 繰糸(煮繭した繭から糸口を出し、目的とした太さになるよう繭糸を合わせて繰ります。現在の機械は自動繰糸機、機械的に生糸繊度を制御します)

⑦ 揚返し(小枠に巻き取られた生糸を外周150㎝の大枠に巻き返す巻き取った生糸は、最初と最後の糸口がわかるよう一緒に結ぶ)

⑧仕上げ(枠からはずした状態、綛(カセ)下の写真6綛、後綛にねじりを加え20~24綛を束ねて1括とする。 1括5kgで6括を1ケ(半俵)30㎏)

 

 

2022/04/15 活動報告

インターンシップを受入れました

京都芸術デザイン専門学校さんからインターンシップを受入れました。

社会経験や就職体験を通して将来のキャリアプランを考えるきっかけを作り、就職活動に対する目標意識や意欲の向上を目指すという学校側の趣旨に賛同して、今回の受入れを決めました。

 

同興商事としても次世代を担う新卒の採用が大きな命題となっていて、インターンシップが若い世代にシルクや繊維業界を知ってもらうきっかけになればと思っていたところ、シルクに興味を持ってくれた生徒さんが一人応募してくれました。

 

まずは実際にシルクに触れる機会を作ることと、そして2週間という短い期間の中で何か達成感を感じてもらえたらと考え、リストアップされたニューヨークの代理店向けのハンガーサンプルを準備するというお仕事をしていただきました。具体的にはリストの生地を棚からピックアップし、アイロンをあててハンガーを作成するという作業です。

作業の目的を理解し、真面目に効率よく作業をしていただき、期間内に89点全てのハンガーを揃えてもらいました。自分が作ったハンガーサンプルを、ニューヨークのお客様が手に取って注文をしてくれる。それを想像しながら作業してくれたら、仕事の楽しさが少しわかってもらえたのではないかなと感じます。

 

若い方がシルクに触れる機会は少ないと思いますが、今回生徒さんは実際に毎日手に取ってみて、広げたりカットしたりする中で、シルクの質感がよくわかり、織り方や加工による風合いの変化で色々なものに使われる可能性があることなどが実感できたようです。
また、自社ブランドの会議にも参加し、企画の進め方なども実際に見ることができ、良い経験になったようです。

 

同興商事のように一つのものに特化した商品を扱う仕事は、他社にないものを提供できる強みがある代わりに、スタッフは専門的な知識やスキル求められます。今回のインターンを通じて、よりよいモノづくりをするためには、自分が何をしたいか、ゴールを決めて行動することで、結果自身のスキルを高めることにつながるという社会人として必要なことも学べたようです。

 

また、京都本社はスタッフが全員40代以上で、これまで中途採用の方を受入れた経験はありますが、社会経験のない真っ新な若い生徒さんにもわかるように説明して作業をしてもらうことは、私たちスタッフにとっても少ない経験で、とても勉強になりました。

 

今回のインターンシップは生徒さんにとっても、当社のスタッフにとっても有意義なものとなりました。またご縁があればインターンシップの生徒さんに来ていただく機会を作り、これからもシルクや繊維業界のことを少しでも知ってもらう場を提供できたらと思います。

2021/07/09 活動報告

ワークショップ『繭から糸を挽く』に参加しました

京都のHONDA SILK WORKSさんにて開催されましたワークショップ『繭から糸を挽く』に社外研修として参加しました。

2年目の若手社員が、これまで映像で見たり先輩や上司から聞いたりしたことを実際に体験することで、シルクのすばらしさやシルクを扱う仕事の楽しさを再認識することができました。

研修参加者がとてもわかりやすくまとめてくれましたので、ご紹介致します。

 

①繭を茹でてセリシン(蚕が糸を吐くときに出される糊)を溶かす

 

鍋でお湯を沸騰させ繭を入れる。

8分ほど煮た後、火を止めて3分放置。 繭が浮いてくるため、落し蓋・重石をする。 3分放置する間に徐々に繭にお湯が浸透する。

鍋に水を差し温度を60℃ぐらいまで下げる。 温度が下がることで浸透圧により繭の中にお湯をより浸透させる。

煮た繭の表面を箒状の物でこすり、キビソと呼ばれるセリシンが溶けたものに絡まった糸を引き出す。(索緒サクチョという) 出てきた糸の束を上下に振り糸が細くなるまで引き挙げる。

 

②座繰り機(繭から糸を挽く機械)を使い糸を挽く

 

座繰り機に糸をセットし、キビソを出した時のように箒状のもので糸を引き出す。なるべくすべての繭から糸が挽けるように糸を引き出す。

ハンドルを回し糸を挽いていく。挽きながら糸が出ていない繭を箒状の物でこすり、糸を引き出す。

糸が出ている様子。M字の凹みに沿い糸を絡める。

糸が挽けている繭は透明になっていく。

挽いた糸

乾燥させると木枠を破壊するほど強力に縮むので次の糸を挽く間は水に入れておく。

白い繭は糸がでなかったもので、真綿にする

 

③木枠に巻き取った絹糸をかせあげ機でかせ(一定の大きさの束)にする

 

右の木枠から「かせあげ」する。

かせ始めは糸が切れないように注意しながら進める

かせ終わり

④かせにした糸の束を水で洗い、混合物を取り除く

 

木枠の癖がついているので癖を取ることを意識しながら水洗いする。

水を絞る

癖を伸ばす

完成

2021/06/18 活動報告

はぎれ販売を始めました

弊社では生産する際に出来上がった生地を確かめる為に毎度、工場より生地の反端を取り寄せ品質のチェックを行います。

この反端の有効利用方法としてビーカーをとったりお客様に提案するサンプル作成に利用してきました。

新たな取り組みとしてさらなる利用価値を求めシルクの反端を必要としてもらえる方へ格安でのはぎれ販売を始めることに致しました。

 

今後も「作る責任・使う責任」実現の為に無駄のない生産活動を行っていきます。

 

 

 

 

2021/06/07 活動報告

Premium Textile Japan 2022 S/S展に出展しました

5月25日~26日に東京国際フォーラムで”PremiumTextileJapan 2022Spring/Summer”が開催されました。

こちらは繊維業界の展示会で、生地やレース、製品、染色、プリントなど多岐に渡り様々な会社が出展しています。

弊社も出展し、2日間多くの方がブースにお立ち寄りくださいました。

 

今回出展した生地で特に好評だったのが、初出展の「WILD SILK」・「ノイルコットン」・「ノイル麻」、定番の120g/TOP天竺」などです。

 

 WILD SILKは野蚕と呼ばれる屋外(野生)で育った蚕から取れた絹糸です。

家蚕(室内で飼われている蚕)の糸が細く光沢があるのに対し、野蚕糸は太くてシャリ感があるので、見た目も異なります。

 

ノイルコットン・ノイル麻は、シルクノイル糸×コットン、シルクノイル糸×麻で織りあげた生地です。

S100%のノイル生地と比較すると、ハリ感やザラっとした風合いがあります。

 

定番のTOP天竺は、弊社のECサイトに掲載しているマスクで使用している生地です。

マスクやインナーアイテム、パジャマなど幅広く使用できます。

 

今回の展示会は緊急事態宣言下での開催となりましたが、主催者の一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構様とご来場のお客様のご協力のもと、無事に2日間開催でき感謝しています。

 

今後も多くの方にシルクを手に取っていただけるよう、ニーズに合わせた提案をしていきます。